フォトグラファーインタビューVol.14 フジモリメグミ

2017.03.01
インタビュー
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フォトグラファーインタビューVol.14 フジモリメグミ

かけがえのない日常を写真で伝えたい

プロフィール?1

精鋭のフォトグラファー7名が集う清澄白河のTAP Galleryに所属する、フジモリメグミさん。3月1日にユカイハンズパブリッシングより写真集が発売されました。


現在は年3回以上の展示会を開催して、zineや写真集の出版をベースに、数々の作品を生み出しています。フジモリさんが表現したいものとは何か。また、そのルーツとは?インタビュー中に放つ力強い言葉の一言ひとことに、プロ意識の高さを垣間見ました。

 

Photographer : フジモリメグミ
1986年 東京生まれ


2008 日本写真芸術専門学校卒
2011 ワンダーシード2011入選
2011 petit geisai#15 準グランプリ
2013 TAP Gallery所属
2015 Nikon juna入選

 

写真の価値観を変えた東日本大震災

今は日常の風景や生活の中にある身近なものを中心に目を向けていますが、日本写真芸術専門学校時代は、ドキュメンタリー系(フォトフィールドワーク)の専攻で、コスプレの写真や東南アジア圏でストリートスナップを撮っていました。

大きな転機が訪れたのは、2011年の東日本大震災があった時です。当時専門学校を卒業していて、作品づくりはしていたのですが、まだとても作家といえるような状況ではなく、お寿司屋や現代アートのギャラリーでアルバイトをしながら写真を撮っていました。そんな時に震災が起こり、被災地のボランティアに参加したんです。

ボランティア先の宮城県山元町というところでは、被災した写真を洗浄して、持ち主の方にお返しするというボランティアを行ってきました。そこでは見知らぬ誰かの撮った日常のスナップ写真や、記念写真・お腹の中の赤ちゃんの写真までを、何万枚と目にしました。だれの家にでもある、当たり前の日常がうつされた写真に触れました。そのことがきっかけで、日常を写した写真の魅力を改めて知ったんです。

テーマがあって作品を撮るというスタイルから、日常があって、それを作品にするということにスイッチが切り替わっていきました。写真に対する価値観が、がらっと変わっていったんです。こういった何気ないことが幸せなのだと、日常の中には素晴らしいことがたくさんあるんだなと。かけがえのない日常を写真で伝えたい。以降、これが私の作品の軸になっています。

 

19-22-2hera(2015)より

 
 震災後の被災地の様子を写した作品『after 311』では、地盤沈下の写真や地震によってできた裂け目を視覚的にとらえた写真などを収めています。この作品でpetit geisai#15準グランプリを受賞しました。そして、現代美術家の村上隆さんのギャラリー(hidari zingaro)で展示してもらえることに。

これをきっかけに、作家としての覚悟と自信ができた気がします。作品を正方形してまとめ始めたのはこの頃からです。

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after311(2012)より

 

作品を壁にかけた瞬間が一番幸せ

 

2013年からTAP Galleryに所属しています。写真の作家7名が共同出資、共同運営をしているギャラリーで、毎月家賃を払い、年間1人3回展示ができるようにスケジュールを組んで、自分の作品を発表します。今年で丸3年になりますが、4ヶ月に1回のペースで個展を開くため、当初は作品をまとめるのに難儀しました。

 

私の場合大前提にあるのは、展示会ベースで作品を発表することと作品を売りたいという気持ちです。だから、展示会に来てくださるお客さんとはこまめにコミュニケーションを取るようにしていますし、購入してくださった方のところには自分で写真をインストールしに行きます。展示会の時もそうですけど、自分の作品を壁にかけた瞬間が一番幸せな気持ちになりますね。自分の作品が人に受け入れられた瞬間だなと実感することが出来ます。

 

TAP Galleryをベースに活動を続けていく

今月は写真集の出版やユカイハンズギャラリーでの個展、台北で行われるWonder Foto Day2017への出展など、作品展が目白押しです。

活動としては、今後もTAP Galleryをベースに発表を続けていくつもりです。TAP Galleryって、写真業界ではそこそこ有名だけれども、世間一般でいうとまだまだマイナーですよね。これからちょっとずつメジャーに近づけていくのが大きな課題だと思っています。もちろん自分も有名になりたいですし。現在、カメラマンの活動の場というのは、フリーか会社所属かコマーシャルギャラリーの作家くらいしか選択肢がありませんが、そこに自主ギャラリーの作家というものが入っていければいいなと思っています。

 

学生時代、いつか写真学校の講師になるのが夢のひとつでした。
それがなんと20代のうちに叶い、現在、渋谷の日本写真芸術専門学校で講師を務めています。続けてきたことはきっとカタチになる。だから、これからも思いをカタチにし続けていきます。
 
 
フジモリメグミさんの写真集がユカイハンズパブリッシングより出版中です。
 
フジモリメグミ:写真集『apollon』通常版

サイズ:B5判変型(232x182mm)/80ページ(フルカラー)/ハードカバー
価格:本体3,000円+税
発行:ユカイハンズパブリッシング
発売日:2017年3月1日
ISBN:978-4908942037
 

インタビュー SHOT JAPAN 小須田

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